第14回 欠陥建築の手直しを拒否する施工者の言い訳 | |||||||||||||||||||||||||||||||
建築物の欠陥が明らかになった時の施工者の対応は、大別すれば次のようになる。
耐震診断基準に適合なら問題ないか
一人歩きをする大学教授の検討書 手直しを拒否する施工者はまた次のような言い訳もよくする。 【有名な大学教授に検討を依頼して、問題ないとの結果を得ている】。 建築基準法に違反していることが明白で、日本建築学会の規準にも適合していない建築物の安全性について、社会的に影響力のある大学教授がこうも軽々しく発言するのは、問題がある。というのも、大学教授がお墨付きを与えた検討書は必ず一人歩きをするからだ。 例えば、不良鉄筋の使用が問題となったある建物では、梁に大きさが梁せいの半分もある貫通孔が間隔をあけずに設けられていた。ところが施工者から調査を依頼された大学教授は、この梁の耐力について、実際に使われたものとは全く異質なコンクリートを対象とした実験結果を基に、【せん断破壊にはつながらない】とのレポートを提出した。 また、別の大学教授はこの建物の安全性に関する検討書に下のような結論を書いた。 大学教授にとってみれば、【断りきれない筋からの頼みで、単に学問的な検討をしただけ】なのかもしれない。しかし、不良施工を平気で行う悪徳業者が抱える弁護士は、まず間違いなく、検討書のなかから自分たちに有利な部分だけを切り取って自説を主張する。ここまで考えれば結果として悪徳業者の手助けになるようなことはできるはずがない。 大学教授に限らず、一般の技術者の方々にも、悪質な不良工事の応援になるような言動は慎んでいただきたい。 結論 本建物は設計・施工上、若干の問題点が見られる。それらのうち、重大な事項を挙げれば、
|